last update 2003.02.16


2月15日(土)深夜/ケビン・ベーコンが幻を。

◆また一週間がたった。
◆東京ハートブレイカーズ。
僕らは夜ごと、稽古が終わって駅に向かう途中、ハンバーガーショップに立ち寄って、そこでコーヒーだけ注文し、煙草をふかしながら、この芝居をどう進めてゆくか話をする。月曜までに5つか6つ、火曜にもさらにひとつ。解決の糸口さえ見えない袋小路に僕らは次々とぶちあたるけれど、首藤健祐は慌てず騒がず強靱に粘り、小さな奇蹟を積み重ねて、その袋小路に穴をあけてゆく。
◆木曜日。
僕は稽古を一日だけやすみ、とある映画の撮影に役者として参加した。大阪の古い雀荘の客の役。台詞3つの役だけど、麻雀をやったことのない僕は、この1週間、麻雀入門書と麻雀漫画を読み、ディスカウントショップで買った麻雀牌で個人練習をして臨んだ。撮影は楽しい。僕がどんなにへなちょこ俳優で、小さな役で、現場のしきたりがわからなくても、なにしろ楽しい。うっかり、なにがなんだかわからない麻雀すら楽しくなってしまった夜遅く、撮影は終わった。
◆撮影で同じ卓を囲んだ出演者の中に、とある伝説的なゲームを作ったゲームクリエーターがいて、僕は撮影のあと、彼と一緒に食事をした。彼はゲームだけでなく、インターネットの世界でも伝説的な活動をした(というかしている)と、僕は噂に聞いていた。たとえばあの巨大匿名掲示板について、僕は射程圏外で眺めているだけだけど、彼はまさにその真っ直中に飛び込んで、たったひとりで戦ったあげく、今では悠々と、匿名の海を実名で泳いでいるのだ。その圧倒的なスピード、狂気じみた正しさと優しさ、そして飽くなき遊び精神。僕は彼と話をして、なんだか自分の身まで軽くなったような気がした。
◆金曜日。
1日おいて稽古場に来ると、また首藤健祐が奇蹟をおこしている。僕は笑いながら演出を楽しんだ。
◆土曜日。
朝、自分の脚本を書き、夜には演出、そのあとスタッフとの打ち合わせ、そしてまた深夜、脚本。ウイークリーマンションの僕の部屋、その片隅のテレビの中で、ケビン・ベーコンが幻を見ている。


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※日記はなかなか毎日かけないけれど。趣味のコーナー『数行レビュー』、復活中。こっちは結構毎日、なんか書いてます。



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