とにかく今書いてる脚本は、初稿を上げてから、第二稿にとりかかって30日たった。
30日間、ほとんど進まなかった。
いや、何度か、何十頁も進んだんだけど。
いつも決まって、やり直したくなってくる。
何度もやり直してるうちに、だんだん、全く進まなくなった。
ある日、僕の心が、「凪ぎ」になった。
脚本家や作家が「書けなくて苦しむ」というのを、活動始めて15年、切実に経験したこと、なかったんだけど。
これかー。と思った。
書くべきこと、思いつかないんじゃないんだ。
たくさん思いついてるんだ。
構想は深まった。アイディアも出た。テーマも質量を増した。すごく面白そうなんだ。最高なんだ。
なのに、書けないんだ。
キーボードを「打つ気にならない」んだ。
30日間、ずっと。
なぜ僕は文字を打たない?
自分は発狂しているんじゃないか、と考える。
死んでしまおうか、と考える。
眠り続けてしまいたい、と考える。
誰かとセックスに溺れたいと考える。
マスターベーションし続けたいと考える。
裸で街に出ようかと考える。
指を食ってみようかと考える。
幻覚の世界に飛べる薬があれば欲しい、と考える。
きっと、鬱に似ている。
30日間、ほとんど家に閉じこもった。
その間に日本には台風がいくつか来て、大きな地震も来て、
熊がたくさん殺されて、ライブドアがワリを喰い、
アメリカではブッシュがまた大統領になり、
イラクでは日本の青年が首にナイフを差し込まれ、
そして僕の金が底をついた。
もちろん、
こんな僕が、こんな状態の果てに書いたホンがどんなホンなのか、
僕はとても興味ある。
書き進んでないんだけど。
もうすぐ書き上がる、と毎秒思う。
かつてない苦しみが、突然終わって、いつでも、今にも書き上がりそうだ。
書き上がるとしか思えない。
あー。狂ってんのかな。
狂ってたほうが凄いホン書けるさ。