鬱病の友人が多い。
そのうち何人かが今音信不通で、僕は心配だ。
と言いつつ、僕自身、鬱っぽいのかもしれないし……いや、あんまり周囲に、そうは思われてないみたいだけどね。
鬱の話と違うんだけど。
僕は幼稚園では、自閉症児として扱われてた。自閉症ってのは、先天的に、脳に発達障害があり、それで、外界の情報が、正常に理解できないんだってさ。うむ……僕は否定しない。だけど、
「外界の情報が、正常に脳に伝わる」って、どういうことだ?
僕の眼は、赤緑色弱といって、赤を感じる力が弱い。子供の頃、スイカの絵を描いたら、果肉を茶色のクレヨンで塗ってしまって、皆に、「それは間違った色だよ」と教えられた。
「間違った色」ってなんだ?
多くの人間は、目で見たとおりの世界を「世界だ」と思っているが、世界ってのはそんなに甘くない。人間は、網膜というレーダーで、光線を受光し、脳内に自分なりに理解できる像を作り上げているだけにすぎない。
コウモリが音波によって外界を知るのと、本質的に変わりない。
音だって、「僕らが聴く」という主観なしには存在しない。客観的な音は、存在しないんだ。
貝に知能があって(あるかも知れない)、僕らの眼のしくみを知ったら笑うかもしれない。
「おい、あいつら、触りもしねえで、光加減だけで生活してるらしいぞ。よく不安じゃないもんだ」
多くの人々が、自分の感覚器官を「正常」だと考えているが、それはあくまでも、人間同士の多数派であるにすぎない。
世界の捉え方には、生物の種類、あるいは個体数と同じだけのパターンがあり、そのどれもが、「解釈」にしかすぎないんだ。
自閉症の僕らや、鬱気味の僕らや、強迫観念症気味の僕らや、赤緑色弱の僕らが捕らえる世界の、どこが「間違ってる」というんだ?
……なんてこと描いてる暇は僕にないんだ!
ああホン書けよホン……!
おい僕よ、お前さ、「自分は狂ってるかもって思ってるウチは正常」なんて甘いこと、マジで考えてないだろうな?