last update 2006.11.22



2006年11月22日(水)
完璧にやってのける僕なんか。

 

◆水曜日。
僕はまだ、家から外に出ていない。
天気は僕の部屋から見えない。
どうも、晴れている気配がしている。
もうすぐ、外へ出てみよう。
どこか、適当な味のするコーヒーを出す店で、
タバコを吸いながら、
脚本の続きを書こう。

ああ、きっと、あと4年くらいで、
タバコも滅びるのかもしれない。

◆テレビで、アコーディオンの名手が演奏している。
自慢げに体を動かし、最先端のロックみたいな音楽を、技巧を凝らして演奏してる。
ハイテクニック、それが彼の音楽の特徴。
彼には彼の表現があるんだろうけれど、
別に僕の心は動かない。

◆以前、ウクレレの名手のアルバムを買った。
ライナーノーツには、
「もはやこれはウクレレとは思えない!」
とかなんとか、超絶技巧を自慢げに謳った文章が掲載されている。
僕はそれを聴きながら、
「おいおい、こんな曲なら、ウクレレじゃなく素直にギターでやってくれ」
そうつっこんで、以来2度と聴いていない。

◆僕の演劇はどうなんだ?
演劇を超えた、とか言われたがってないか。
自分の超絶技巧を自慢することに熱心になってないか。
あんなふうになっちゃいかんぞ。
自分の技術に喰われてはいけないぞ。
技術なんて捨ててしまえ。
なんのために、わざわざ手作りしてるんだ。

僕が失敗する様を、
僕がずっこける様を、
僕が手間取ってる様を、
僕が間に合わない様を、
僕が窒息する様を、
それを僕は美しいと思って、
それで僕は演劇を始めたんじゃないのか。

完璧にやってのける僕なんか、 どうでもいいじゃないか。


◆脚本を夕方まで書いて、それから芝居の稽古に行こう。
稽古は、順調だ。
だが、順調なんてどうでもいい。
僕は順調なんか、どうでもいい。



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